私が「ひとり事務所」を選択する7つの理由

昨日は「シン・ゴジラ」を見ました。
SNSを見ているとかなり評判がいいので気になって気になって。
感想は「組織って大変だな」と。※詳しくは映画館にて

そんな私は誰も雇用していない「ひとり事務所」
「お金がないから雇えないのでは?」と言われても反論の余地はありませんが、あえての“ひとり”です。

今日は私がなぜ「ひとり事務所」を選択するのか、その理由について。

雇用すると経費がかかる

当然ですがヒトを雇用すれば経費がかかります。
人件費だけではありません。
福利厚生費やパソコン、備品、交通費etc…。
ヒトが増えればハコも必要になるのでそれなりの事務所家賃がかかります。
雇用すれば仕事も増えるのでしょうが、経費もかさむ。
ある程度雇用する人数が増えると、人件費を含めた“ヒト”に関する経費のために仕事をしている、という経営者も少なくありません。

独立する可能性

「独立」といえば聞こえはいいですが、辞められる事務所からするとたまったものではありません。
ときにクライアントを持ち逃げして辞めることも少なくなく、後々遺恨の種を残すことにもなります。
今まで従順に働いてきたスタッフ。
「やっと試験に合格した!これで色々と任せられる!」と思いきや独立。
所長が描いていた経営ビジョンがもろくも崩れ去る…。
なんだか熟年離婚と構図が似てますね。

スタッフが他の事務所に転職してしまう場合でも「うちのノウハウが流出する」なんて話を聞きますが、その程度で流出するノウハウはノウハウではありません。
むしろ「自由に使ってうちのやり方を広めてくれ」くらい言えるほうがカッコイイものです。

事務所移転や事業の撤退などを困難にする

ひとりなら簡単なんです。
事務所を移転することも、業務メニューを減らすことも。
時代の流れや環境の変化に応じて事務所経営についても変わることは当然に求められること。

しかし、それはスタッフにとってみれば迷惑と感じることが多い。
毎月お給料がちゃんと出ることがスタッフの一番の興味です。
変化を嫌います。

事務所の引っ越しとかめんどくさいし、事業の撤退なんて知ったら「いつ自分がクビになるのか」しか興味がなくなります。
雇用する以上はスタッフの人生を預かっているといっても過言ではありません。

いくら所長が決断しても、実行するまでにはそれなりの痛みが伴うものです。

自分がやりたくないことを誰かにやらせたいと思わない

「俺がやりたくないからスタッフにやらせてる」
というのはよく耳にするセリフですが、ボスがやりたくないことをスタッフがやりたいかというとそんなことはなかなかないかと。
「だから給料払ってるんだ」という反論が聞こえてきそうですが、相手は人間です。嫌なものは嫌なのでそのうち辞めます。

スタッフの定着率が悪い事務所は、人間関係もありますが、そもそも「日々の仕事にやりがいを感じていないのだろうな」ということは容易に想像がつきます。

自分がやりたくないことはなるべく誰もやらないように工夫するか、それこそ機械ができるようにしたいものです。

自分ができないことを、お金を払って“お願いして”誰かにやってもらう。
スタッフに対して謙虚すぎるのもよくはないですが、事務所として同じ目的を共有する以上、全員がやりたいことを前向きにできる環境でありたいものです。

必ずしも雇用に頼る必要がない

自分にできないこと。必ずしも雇用に頼る必要はありません。
独立している同業者にお願いすることも可能です。
困ったときはお互い様。持ちつ持たれつの関係。

同業者といえど得意分野・不得意分野は様々です。
それを同業者同士カバーできれば実は困ることは少ないのです。

「ひとり事務所だと病気や事故の場合はどうするの?」
という声をよくいただきます。

この問題は実はひとり事務所だろうと組織化事務所だろうとあまり関係がないのです。
士業事務所の場合、資格者たる所長が倒れればスタッフがいても機能不全に陥るのは当然だからです。

特に司法書士の場合は、登録している司法書士じゃないとできない業務が多い。
どんなにスタッフを抱えていても、たったひとりの資格者が倒れればそれでおしまいです。

だとしたら、同業者間で持ちつ持たれつの関係性を築いておくほうがよほどリスクヘッジができていると私は思います。
できないことが多いからといって、必ずしも雇用に頼る必要はありません。

スピードが命

スピードは「ひとり事務所」の最大のメリットです。
内部の報連相が必要ありません。
即決即断。
クライアントも余計な連絡を取る必要がありません。
責任の所在も明確。
できる経営者ほどスピードを重視します。
というか待てない性格の経営者が多い。
間にスタッフが介在することをよく思わない経営者は実は少なくありません。
「◯◯さんがやってくれるっていうからお願いしたんだよ、スタッフがやるなら意味がない」
という話もよく耳にします。

気楽

最後のひとつ。気楽なんです。
これはもう性格の向き不向きの問題。
ひとりが好き。出かけたいときに出かけたいし、休みたいときに休みたい。
いちいち誰かの許諾を取りたくもないし、報告とかもしたくない。
もうこれがすべてです。そうじゃないとメンタルが持たない。
だから私は雇用するに値しない人間なのかもしれない。

しかし「売り上げが上がってきたら雇用したほうがよい」という何か根拠のない法則には異を唱えたい。
勝手にやらせろと。
雇用することが社会的にも経済的にも重要な施策であることは重々わかっている。
それでも向いていないことはやるべきではない。

「やってみてダメだったらやめればいい」とは私もよく使う言葉だが、それに自分以外の人間が関わるなら話は変わってくる。
スタッフは実験台ではないからだ。
所長を頼って面接し、採用され、ここで頑張るぞと気合いを入れて働きにくるのに、当の所長は「ダメだったらやめればいいからとりあえず雇ってみよう」という考え方だとしたら甚だ残念すぎる。

私にはそんなことはできない。それだけです。

さいごに

7つの理由を挙げました。
「私は違う」というかたもいらっしゃるでしょうが、これは働き方というよりも生き方そのものです。

自分が正しいと思う事務所経営をそれぞれが追求することで、世の中・社会・業界そしてクライアント(お客様)がよくなるのであればそれでいいと思います。

人間は道具ではない。

ブラック企業だなんだと叫ばれていますが、雇う方も雇われる方も同じ人間なのだから、もう少し主体的・能動的に考えられないものかと思うのです。
理想論かもしれませんが、私は少しずつ実行を続けていき、現実を理想に近づけたいと考えています。

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