自分にしかできないサービスを作るには、「相場」に頼らずに価格を決めること。

自分が提供するサービスの値付けって大変ですよね…。
経営者のカリスマである稲盛和夫氏も「値決めは経営」とおっしゃっています。

それくらい「価格を決める」ということは大変なこと。
私も日々頭を悩ませています。

しかし、価格がないと誰も買ってくれません。
そんなときに便利なのが「相場」です。

「相場」はどうやってできる?

「一体、他のひとはどれくらいの金額でやっているのだろう」
当然、気になるところです。

「利用者はどれくらいの価格帯だったらお金を払ってくれるのだろう」
こちらも気になるところ。

「類似のサービスはこれまでどれくらいの価格で提供してきたのだろう」
これも大事。

他にもあるでしょうが結局、「競合」「利用者のニーズ」「過去の事例」
これらすべてを考慮して出来上がった価格帯が「相場」になります。

この「相場」を叩き台にして価格を決める方がほとんどじゃないでしょうか。

「相場」のワナ

このように、価格を決めるのにとても便利な「相場」ですが、実はいいことばかりではありません。

◆「相場」が下がったら、価格も下げざるを得ない

競争が激しくなると、自社の強みを価格で訴求する会社が必ず出てくるので「相場」が下がります。
「相場」が下がるとそれまで付けていた価格が利用者からは割高に感じられるようになります。
そうなると受注数が減ってきて対応を迫られることに…。

ここで「相場」に引っ張られるように値下げをすると経営が非常に苦しくなります。
値下げした分の利益を確保するのは考えている以上に大変だからですね。

士業の例でいうと「会社設立業務」がこの例にあたります。
税理士業界が参入したことにより、「相場」は崩壊しました。

【参考記事】会社設立0円と携帯キャリアのビジネスモデル
⇒ http://ryoki-blog.net/2014/10/entry3614.html

◆利用者から見て、違いがわかりにくい

「相場」で価格を決めると、利用者から見て、違いがわかりにくいサービスになります。

こちらは「相場」が8万円前後のサービス。
A社 80,000円 B社 74,800円 C社 84,800円

利用するひとからしたら、「もうどこもいっしょだろうから一番安いB社でいいや!」とならないでしょうか。
価格コムがいい例ですね。
同じ商品やサービスなら一円でも安いところから買いたいと思うのが消費者の本音です。

そもそも、価格が似ているということは、サービスの内容も似ている。
「相場」で価格を決める、ということは商品ありきの決め方ではないので、結果的にはそうなります。

「うちで開発したこの商品は、こんなに苦労して、こんなに時間をかけて完成した集大成なんだ!」
という社運をかけた商品だったら、安易に「相場」から価格を引用しないはずです。

価格を下げてもいいことはない

受注が減ると下げたくなってしまう価格。
気持ちはわかります。
私も過去何度下げようと思ったかわかりません。

しかし、もし価格を下げた場合、それまでの価格で購入したお客様はどう思うでしょうか。
みなさまも経験ないでしょうか?

以前購入したものが、同じ店で◯◯%OFFとなっていたときのガッカリ感。
あれ、めちゃめちゃ悔しいですよね。
そして、お店に対して持っていたイメージが悪くなってしまうんです。

もっと売りたいと思って値下げをした結果、既存のお客様が離れるという最悪のことが起きてしまいます。
しかも、値下げしても売れないものは売れないというのが現実。
結局、原価は変わらず利益がほとんど出ないのでコストばっかりかかる。
大量に売れれば利益が出るからと多額の宣伝広告費をかけるが、まったく売れない。

こうなると悲劇です。
価格を下げるという行為は我が身を滅ぼす可能性が高いので絶対にやめましょう。
それができるのは、大会社のみです。

「相場」から離れて価格を決めてみよう

価格の決め方は何も「相場」だけではありません。
ルイ・ヴィトンやエルメスのバッグを欲しいと思うひとはたくさんいるでしょうが、バッグの「相場」を考慮して買うでしょうか。

ヴィトンが「このバッグは100万円です」といえば100万円出して買うでしょうし、エルメスが「このバッグは200万円です」といえば200万円出して買うのじゃないでしょうか。
購入する側は、そこに「相場」なんて概念を持ち込まないでしょう。
高いと思うひとはそもそも買わないでしょうし、売る側も売る気がない。

これを自社にも応用できないか、ということです。

「相場」なんか関係なく、「このサービスは100万円です!」と決めてしまう。
そして、商品のラインナップに載せる。

「こんなの売れるわけないよ」と思うかもしれない。
もちろん売れないかもしれない、しかし売れるかもしれない。

100万円のサービスが存在しない限り、100万円のサービスが売れる可能性はゼロです。
「100万円のサービス作ってよ、買うから」なんていうお客様はいません。

「100万円の価値なんかないよ…」と思うひともいるでしょう。
じゃあそんな100万円の商品を買いたいというひとが現れたらどうするか。

私なら、100万円の価値になる商品に死に物狂いで仕立てあげます。
事前に受注生産方式であることを伝え、とにかく必死に価格に見合う価値のものにする。

だって、それまでもし1万円とか5万円の商品しか取り扱っていないとして、100万円の商品を買いたいというひとが現れたら、めちゃめちゃ嬉しいし、そのひとのためにめちゃめちゃ必死に頑張りますよ。
そうやってできた商品が「相場」の枠を超えたプレミアム商品になるんじゃないでしょうか。

売れないと思ったら売れないし、売れると思ったら売れる。
意外と単純なことかもしれません。

「相場」に頼るということは、こと値付けについては思考停止している状態です。
価格を付けるとき、一度「相場」を考えずに決めてみてはいかがでしょうか。

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